矯正歯科治療は一般的に保険適用外です。しかし、一定の条件を満たすと保険診療が可能になることをご存知ですか?。
今回はどんな場合に矯正歯科治療が保険診療対応になるのか、滋賀県ではどこで受けられるのかについてお話します。
保険矯正が可能な症例とは

以下のような場合に歯科矯正が保険適応可能になります。
①厚生労働大臣が定める疾患に起因した咬合異常
②3歯以上の永久歯萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る)
③顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)
*①と②は歯科矯正診断料、③は顎口腔機能診断を算定することが出来ます。
③はいわゆる外科矯正と呼ばれおり、医療機関によっては外科矯正の対応がなく①と②だけ対応している場合があります。
厚生労働大臣が定める疾患
厚生労働大臣が定める疾患とは、
生まれながらにして口腔内に異常が見られる先天異常のことです。
代表的なものとして唇顎口蓋裂、ダウン症候群等があります。
唇顎口蓋裂とは、
妊娠の初期(顔や口蓋が形成される2~3か月ごろ)に胎児の顔面を形成する組織の融合が何らかの原因で上手くいかず、その部位に裂け目が残ってしまう状態のことを指します。唇顎口蓋裂の患者は形成術による術後の瘢痕等のために上顎の成長の発達が極端に悪く、反対咬合になることが多いです。また、歯胚が欠如したり、歯が生えてこなかったりすることで、噛み合わせが悪いことが多くなるので、矯正歯科治療が必要となります。
ダウン症候群とは、
染色体異常疾患で先天異常のことであり、主要な症状に加え、先天性欠如歯や埋伏歯、萌出遅延歯などの歯科的症状や不正咬合が出現すると言われています。
他の疾患は以下の通りです。
- 唇顎口蓋裂
- ゴールデンハー症候群(鰓弓異常症を含む。)
- 鎖骨頭蓋骨異形成
- トリーチャ・コリンズ症候群
- ピエール・ロバン症候群
- ダウン症候群
- ラッセル・シルバー症候群
- ターナー症候群
- ベックウィズ・ウイーデマン症候群
- 顔面半側萎縮症
- 先天性ミオパチー
- 筋ジストロフィー
- 脊髄性筋委縮症
- 顔面半側肥大症
- エリス・ヴァンクレベルド症候群
- 軟骨形成不全症
- 外胚葉異形成症
- 神経線維腫症
- 基底細胞母斑症候群
- ヌーナン症候群
- マルファン症候群
- プラダー・ウィリー症候群
- 顔面裂(横顔裂、斜顔裂及び正中顔裂を含む。)
- 大理石骨病
- 色素失調症
- 口腔・顔面・指趾症候群
- メビウス症候群
- 歌舞伎症候群
- クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群
- ウイリアムズ症候群
- ビンダー症候群
- スティックラー症候群
- 小舌症
- 頭蓋骨癒合症(クルーゾン症候群及び尖頭合指症を含む。)
- 骨形成不全症
- フリーマン・シェルドン症候群
- ルビンスタイン・ティビ症候群
- 染色体欠失症候群
- ラーセン症候群
- 濃化異骨症
- 6歯以上の先天性部分無歯症
- CHARGE症候群
- マーシャル症候群
- 成長ホルモン分泌不全性低身長症
- ポリエックス症候群(XXX症候群、XXXX症候群及びXXXXX症候群を含む。)
- リング18症候群
- リンパ管腫
- 全前脳胞症
- クラインフェルター症候群
- 偽性低アルドステロン症
- ソトス症候群
- グリコサミノグリカン代謝障害(ムコ多糖症)
- 線維性骨異形成症
- スタージ・ウェーバ症候群
- ケルビズム
- 偽性副甲状腺機能低下症
- Ekman-Westborg-Julin症候群
- 常染色体重複症候群
- その他顎・口腔の先天異常
「その他顎・口腔の先天異常」とは、顎・口腔の奇形、変形を伴う先天性疾患であり、当該疾患に起因する咬合異常について、歯科矯正の必要性が認められる場合に、その都度当局に内議の上、歯科矯正の対象とすることができる
歯科矯正診断料の施設基準
歯科矯正診断料を算出するためにいくつかの基準が下記のように設けられています。
・厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長に届け出た保険医療機関であること。
・厚生労働大臣が定める疾患に起因した咬合異常である場合。
・3歯以上の永久歯萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る)場合。
・指定された検査機器(歯科矯正セファログラム等)を備えていること。
・指定された人員配置(専任の常勤歯科医師及び専従する常勤看護師又は歯科衛生士がそれぞれ1名以上勤務)がなされていること
・外科手術を担当する医療機関と矯正治療を担当する医療機関との連携がとれていること
顎口腔機能診断料の施設基準
顎口腔機能診断を算出するためにいくつかの基準が下記のように設けられています。
・厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長に届け出た保険医療機関であること。
・指定自立支援医療機関(育成・更生医療)であること
・顎離断等の手術を必要とする顎変形症の患者(別に厚生労働大臣が定める疾患に起因して顎変形症を発症している場合及び3歯以上の永久歯萌出不全に起因した咬合異常が認められる患者を除く)である場合。
・指定された検査機器(歯科矯正セファログラム、咀嚼筋筋電図、下顎運動検査)を備えていること。
・指定された人員配置(専任の常勤歯科医師及び専従する常勤看護師又は歯科衛生士がそれぞれ1名以上勤務)がなされていること
・外科手術を担当する医療機関と矯正治療を担当する医療機関との連携がとれていること
指定自立支援医療機関
自立支援医療制度は、心身の障害を除去・軽減するための医療について、医療費の自己負担額を軽減する公費負担医療制度です。
この制度を利用するにあたり、申請を行い指定されると指定自立支援医療機関となります。
マウスピース型矯正に保険適応される?

保険矯正可能な症例に該当する場合、マウスピース型矯正は保険適応されるのでしょうか?
残念ながら、マウスピース型矯正は①②③の条件に当てはまったとしても、保険適応とはなりません。
なぜならば、
保険適応となるには、厚生労働省の定める保険適応のルールで定められた歯科矯正装置を用いなければなりません。
マウスピース型矯正装置の材料は厚生労働省に医療材料として認められ、薬事承認は下りています。
しかし、マウスピース型矯正装置はオーダーメイドの装置となります。
オーダーメイドによって作られた医療機器は
「医薬品、医療機器等の品質、有効性および安全性の確保等に関する法律(薬機法)」では、医療機器には該当しないからです。
したがってマウスピース型矯正装置を用いた矯正歯科は保険診療対象外になります。
滋賀県で保険矯正対応の歯科医院をさがす
滋賀県で保険矯正対応可能な歯科医院をご紹介します。
大津市・ほりい矯正歯科クリニック
矯正専門医院
歯を出来るだけ残す矯正歯科治療を行うように心がけています。
診療スタッフは全員が国家資格を取得した歯科衛生士です。歯科用CTでより精密・正確な診断を行っています。
ブラッシング指導や食事指導が出来るよう唾液検査を行っています。歯科衛生士と管理栄養士がアドバイスして、虫歯をつくらない矯正治療に取り組んでいます。
トリートメントコーディネーター制の導入により矯正治療の不安の解消をお手伝いしています。
子どもから成人まで、ワイヤー矯正から見えない矯正(裏側矯正、インビザライン矯正)と幅広く対応しています。
大津市・堀内歯科医院
一般歯科・小児歯科・矯正歯科と総合的に歯科診療を行っています。
幼児からご高齢の方まであらゆる年齢の患者様の、幅広いニーズにお応えできる、万能型の歯科医院です。
矯正治療は副院長の女性歯科医師が担当で、診療時間は、月・水曜日の午後と土曜日(月二回)の午前です。
自費矯正については、クレジット払いが可能です。
一般歯科検診を受ける場合は、矯正の初診相談料は無料です。
他には、歯牙移植、外相、審美、ホワイトニング、歯周外科を行っています。
近江八幡市・おおまえ矯正歯科
矯正歯科、小児歯科をはじめ、口腔外科、一般、審美歯科、歯科インプラントを取り扱っています。
親知らずの抜歯、虫歯の治療、歯周組織の治療が同じ医院で行えます。
虫歯予防に積極的に取り組み、お子様と保護者の方にもわかりやすく伝えています。
彦根市・きたがわ矯正歯科
矯正専門医院
患者様に最善の治療方法を提案しています。
見えない矯正(舌側矯正、インビザライン矯正)を行っています。子どもの矯正から大人の矯正まで幅広く行っています。
隔週ですが、日曜日も診療しています。土曜日も通常通り診療しているので、週末に通院したい人にはお勧めです。
長浜市・ながはま矯正歯科
毎週土曜日と第1日曜日も診療しています。平日の通院が難しい方にはお勧めです。
小児矯正では歯並びを「育てる」矯正治療を行っています。
成人矯正では、ワイヤー矯正、マウスピース型矯正装置(クリアアライナー)を行っています。
草津市・ひこ矯正歯科
草津駅から徒歩6分の矯正歯科専門医院です。専用駐車場3台完備しています。
平日は20時まで診療、毎週土曜日、月1回日曜日も診療しています。
幼児期より将来歯並びが悪くなるのを予防する治療プログラムを用意しています。
成人の患者様もワイヤー矯正の他、見えにくい矯正であるマウスピース矯正、舌側矯正などの治療プランを用意しています。
他の保険矯正対応可能な歯科医院
大津市・奥村歯科診療所【矯診】
大津市・成田矯正歯科医院【矯診・顎診】
彦根市・やまだファミリー歯科【矯診】
草津市・むらお矯正歯科クリニック【矯診・顎診】
草津市・さわだ矯正歯科草津クリニック【矯診・顎診】
守山市・守山駅前岡村診療所【矯診・顎診】
栗東市・ウイング栗東矯正歯科クリニック【矯診・顎診】
おすすめ矯正歯科サイト
The・Ortho(ジ・オルソ)

歯列矯正のポータルサイトです。歯列矯正に関する情報提供と信頼できる矯正歯科医院をご紹介しています。矯正歯科医院選びをする際に、日本矯正歯科学会認定医の資格を持つ歯科医師が常勤している医療機関を第1の基準として推奨しています。
矯正歯科ネット
最後に
今回お伝えした保険矯正対応可能な医療機関は、令和5年1月4日作成、滋賀県届出受理医療機関名簿からです。
変更等もございますので、受診する際にご確認ください。
あなたのお住いの施設基準届出受理医療機関名簿を見るには
「地方厚生局」8つの厚生(支)局 https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/ から、ご自身の地域の厚生(支)局のホームページにアクセスしてください。
サイト内検索に「施設基準届出受理医療機関名簿」を入力
県別の受理医療機関より歯科のPDFを探す
そのPDFから「矯診」あるいは「顎診」の指定医療機関を探す