透明に近く目立ちにくいインビザライン矯正を検討している皆さんは、歯並びをキレイにする矯正治療のプロフェッショナル【臨床指導医】をご存知ですか?
この【臨床指導医】は、矯正治療の知識と経験が豊富な歯科医師を客観的に評価する資格です。しかし、矯正歯科を標榜する歯科医院に必ずいるわけではありません。
今回は【臨床指導医】がどのようなものか、について説明します。
矯正治療の【臨床指導医】とは
「臨床?って何?」「実際に診察する歯科医師のこと?」など、あまりよくわからない方も多いと思います。矯正治療は一般歯科と比べ、高度な専門的知識と職人的な技術が要求されます。
歯科医師ごとの経験の差が出やすい矯正治療について、私たち患者は何を基準に選んだらよいのでしょうか?
それを判断する客観的な指標が、日本矯正歯科学会が制定した3種類の資格認定制度であり、認定医・指導医(*1)・臨床指導医になるというわけです。
*1 「指導医」とは、矯正の医師を指導する立場の歯科医師のことです。主に「認定医」を育成し、矯正歯科の指導的な役割を果たすことが目的です。
【臨床指導医】になるためには
【臨床指導医】は歯科医師であれば誰でも簡単になれるというわけではありません
臨床指導医になるためには、まず認定医を取得しそれから矯正治療の学術論文の発表、学会の定めた10種類の課題症例の審査等厳しい条件が課せられます
認定医になるためには以下の条件が設けられています
- 歯科医師面鏡を有する者
- 歯科医師免許取得後、5年以上継続して学会会員である者
- 学会指定研修機関において5年以上矯正歯科研修を修了した者
- 学会の認めた学術刊行物に矯正歯科臨床に関する論文を投稿した者
- 学会の定めた2種類の課題症例の審査に合格した者
- 学会倫理規定を遵守するもの
臨床指導医になるには以上の条件をクリアし、以下の条件が設けらています
- 認定医である者
- 歯科医師免許取得後、7年以上継続して学会会員である者
- 学会の認めた学術刊行物に学術論文を投稿した者
- 学会の定めた10種類の課題症例の審査に合格した者
以上のような厳しい基準をすべてクリアして【臨床指導医】として認められるわけです
日本国内の歯科医師は104,908人、矯正歯科を標榜する歯科医師は21,064人(*2)の中で、【臨床指導医】は363人です(*3)。つまり、矯正歯科治療を行っている歯科医師の1.7%という割合でしかいない矯正歯科治療のプロフェッショナル✨というわけです。
矯正治療は、技術と経験がとても大切な特殊な分野ですのでプロフェッショナルな【臨床指導医】にお願いするのがベストです。
*2 平成30年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況 厚生労働省より 平成30年12月31日現在の数字
*3 公益社団法人 日本矯正歯科学会HP 令和3年3月現在の数字
インビザライン矯正こそ【臨床指導医】に!!
インビザライン矯正は、マウスピース型の矯正で最新のテクノロジーを使い歯の動きをコンピュータでシミュレーションしながら治療を進めていきます。ワイヤーのベンディング等の高い技術力を必要としない点で、【臨床指導医】でなくても大丈夫なのでは❔と思う方も多いようです。
そこで、インビザライン矯正こそ【臨床指導医】をお薦めする理由について説明します
☆【臨床指導医】はインビザライン矯正の限界を熟知している!!
インビザライン矯正も矯正治療の一つにすぎませんので、インビザラインに適応する症例かそうかを正しく判断する能力が必要です。インビザライン矯正はすべての不正咬合を治せるわけではないので、インビザライン矯正の限界を正しく理解することが必要になってきます。
☆【臨床指導医】は計画通りに進まないケースにも対応できる!!
コンピュータ上のシミュレーション通りに歯が動かない場合や、患者様の装着時間等により計画通りに進まないケースもあります。その都度、細かな調整をするためには矯正の専門的知識や豊富な経験が必要になります。
「こんなはずじゃなかった😢」と後悔しないためにも、インビザライン矯正も【臨床指導医】での治療をお薦めします
なお、公益社団法人 日本矯正歯科学会はインビザライン矯正(アライナー矯正)の【臨床指導医】による治療を推奨しており、「マウスピース型矯正装置による治療に関する見解」というステートメントを発表しています。
【臨床指導医】が歯科医院にいるメリット
【臨床指導医】が常勤していることで、急なトラブル対応はもちろん、より高度な矯正治療が受けられます。同じインビザライン矯正でも一般の歯科医師に比べ、【臨床指導医】が行う治療のメリットはたくさんあります。
☆あなたにピッタリの治療の治療計画をたててくれる!!
歯列矯正の治療方法は人によって様々です。例えば、同じ出っ歯でも年齢やあごの大きさ、出っ歯の程度により治療法は異なります。【臨床指導医】なら、あなたにピッタリの治療方法を提案してくれます。
また、【臨床指導医】はインビザライン矯正の治療の限界を熟知していますので、インビザライン矯正のみで対応できない際には舌側矯正等とを組み合わせての治療計画を立て、実際治療することが出来ます。
さらに、一般歯科医師ではなかなか出来ないインビザライン矯正での難しい症例においても、【臨床指導医】なら高度な技術でインビザライン矯正で対応することが出来ます。
そして、患者が思う通りの仕上がりにならなかったケースでも、たいていの一般歯科医師はそのままケース終了となりトラブルになるケースがあります。しかし、【臨床指導医】の豊富な治療経験で、トラブルになる前に患者が納得のいく仕上がりになるように調整し対応することが出来ます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は矯正治療のプロフェッショナルである【臨床指導医】について説明しました。
インビザライン矯正で後悔しないためにも【臨床指導医】がお薦めです。
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*本記事は、【臨床指導医】の歯科医師による監修をうけ作成しております。
*今回の記事では、日本矯正歯科学会を基準に説明しましたが、現在、日本矯正歯科学会、日本成人矯正歯科学会、日本矯正歯科協会の3団体での資格制度となっております。「国が認める専門医」の認証を受けるために、日本矯正歯科専門医機関が発足しそれぞれの制度を統一した第1回試験が2020年に行われました。書類審査、症例審査、筆記試験が行われ、受験した歯科医師には結果の通知が送付されています。まもなく日本矯正歯科専門医機関のHPで矯正歯科専門医一覧で確認できる予定です。お楽しみにしていてください。