今回は、滋賀県の日本矯正歯科学会の臨床指導医・認定医の資格を持つ歯科医師が常勤している医療機関をご紹介いたします。
日本矯正歯科学会の臨床指導医・認定医をお薦めする理由
歯列矯正の専門性の高さ
矯正治療は、個々の生体における歯冠の位置ばかりではなく、歯根の植立状態や歯周組織の健全性、 顎顔面領域と歯列の位置関係、咬合や咀嚼機能など様々な生物学的な要因によって影響されます。
そのため、症例ごとの特徴を把握し、治療開始時の上下歯列 の咬合状態を正確に評価するとともに、歯根の位置を推定し、移動の際に負荷される荷重や移動方向、 移動歯の数や順序、非移動歯(固定源)の設定などを十分に考慮して、治療目標を達成するために実 現可能で効率的な移動方法やフォースシステム(移動の力系)を決定する必要があります。
したがって、矯正診療に関する専門的な診断能力、治療技能、経験が不可欠です。
医療機関の自由標榜制
日本では、歯学部を卒業し歯科医師国家試験に合格すると歯科医師免許がもらえます。歯科医師になると、厚生労働省が定めた診療科目(歯科・小児歯科・矯正歯科・口腔外科)であれば、どれを標榜して開業していいことになっています。これを「自由標榜制」と呼びます。
大学病院や学会が認める基本研修機関において専門的な矯正知識の習得や技術のトレーニングを受けていなくても、診療科目に矯正歯科を標榜することが出来ます。極端な話、一度も歯列矯正治療をしたことがない歯科医師であっても、矯正歯科を掲げることが出来るのです。つまり、診療科目や○○矯正歯科医院といった医院名だけでは、どの程度の技量を持った歯科医師なのかわからないというわけです。
このようなことを解消するために日本矯正歯科学会は「臨床指導医」「認定医」といった資格制度を定めています。
マウスピース型矯正装置の急増に伴うトラブルの急増
近年、大人の矯正をはじめとしたマウスピース型矯正等の急増に伴い、治療結果等に関するトラブルの報告が日本矯正歯科学会等に寄せられています。それを受けて、日本矯正歯科学会は2017年2月27日に「アライナー矯正装置による治療指針」、2019年6月5日の「マウスピース型矯正装置による治療に関する見解」を発表しております。
「アライナー矯正装置による治療指針」は、
海外カスタムメイド矯正装置は、歯科技工士法上の矯正装置にも、薬事法上の医療機器にも該当しないという厚生労働省の回答があったこと、
加えて、診察にあたっては、「歯科医師が患者への十分な情報提供を行ったうえで患者の理解と同意を得ることを遵守するとともに、歯科医師の全面的な責任の下で使用されたい。」という指示があったと報告しています。
「マウスピース型矯正装置による治療に関する見解」では、
矯正治療は正確な診断や精密な治療計画に立脚して行われるべき医療行為であること、
マウスピース型矯正装置による治療は大学病院や学会が認める基本研修機関において十分な矯正科領域全般にわたる基本的な教育と臨床的なトレーニングを受けた歯科医師による診察、検査、診断を基に治療を行うことを推奨しています。
日本矯正歯科学会の臨床指導医・認定医とは
日本矯正歯科学会は、歯科矯正学・矯正歯科臨床の進歩・発展を目的に1926年に設立された日本を代表する歯科矯正学を専門とする学術団体です。日本各地の矯正歯科医を中心に7,000名程の会員により構成されています。矯正歯科医療の水準を維持し、向上を図ることによって適切な医療を提供するために、矯正治療に関して適切かつ十分な学識と経験を有するものとして認定医・指導医・臨床指導医(旧専門医)とし認定しています。
認定医になるための条件
- 歯科医師免許を有する者
- 歯科医師免許取得後、5年以上継続して学会会員である者
- 学会指定研修機関において5年以上矯正歯科研修を修了した者
- 学会の認めた学術刊行物に矯正歯科臨床に関する論文を投稿した者
- 学会の定めた2種類の課題症例の審査に合格した者
- 学会倫理規定を遵守するもの
臨床指導医になるための条件
認定になる条件をクリアし、以下の条件にクリアしなければなりません。
- 認定医である者
- 歯科医師免許取得後、7年以上継続して学会会員である者
- 学会の認めた学術刊行物に矯正歯科臨床に関する論文を投稿した者
- 学会の定めた10種類の課題症例の審査に合格した者
指導医とは
「指導医」とは、矯正の医師を指導する立場の歯科医師のことです。主に「認定医」を育成し、矯正歯科の指導的な役割を果たすことが目的です。
日本国内の歯科医師は104,908人、矯正歯科を標榜する歯科医師は21,064人(*1)の中で、【臨床指導医】は363人、【認定医】は2,666人です(*2)。つまり、臨床指導医は矯正歯科治療を行っている歯科医師の1.7%、認定医は12.6%という割合でしかいない矯正歯科治療のプロフェッショナルというわけです。
*1 平成30年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況 厚生労働省より 平成30年12月31日現在の数字
*2 公益社団法人 日本矯正歯科学会HP 令和3年6月現在の数字
滋賀県のおすすめ矯正歯科医院
大津市・ほりい矯正歯科クリニック
自立支援医療機関(育成医療)
Dr. 堀井和宏(臨床指導医)
Dr. 嶋本純也(認定医)
住所:大津市粟津町4-7
JR石山駅前近江鉄道ビル2F
最寄り駅:JR石山駅すぐ
電話番号:077-533-3741
予約方法:電話、あるいはメール
オンライン相談あり
顎診・矯診とは?
矯正歯科診療は一般的に保険適応外ですが、以下の場合に限り保険診療の対象となります。
①「厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合以上に対する矯正歯科治療
②前歯3歯以上の永久歯萌出不全に起因した咬合以上(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る)に対する矯正歯科治療
③顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)の手術前・手術後の矯正歯科治療
「矯診」:歯科矯正診断料のこと。上記の①・②にあたります。
「顎診」:顎口腔機能診断のこと。上記の③にあたります。
矯正歯科治療を保険診療で行うためには、厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているとみなされ、地方厚生局長に届け出た保険医療機関のみになります。
大津市・小野矯正歯科医院
Dr. 小野晋裕(認定医)
住所:大津市皇子が丘2丁目10-25-10
最寄り駅:京阪大津京駅徒歩1分
電話番号:077-525-7815
予約方法:電話
大津市・はなよし歯科・矯正歯科
Dr. 泰間康平(認定医)
住所:大津市京町3-4-32
最寄り駅:JR東海道線・大津駅
電話番号:077-521-8744
予約方法:電話
大津市・堀内歯科医院
自立支援医療機関(育成医療)
Dr. 堀内真理(認定医)
住所:大津市あかね町13-5
最寄り駅:京阪滋賀里駅
電話番号:077-511-5155
予約方法:電話
草津市・マリア矯正歯科クリニック
自立支援医療機関(育成医療)
Dr. 上野京(認定医)
住所:草津市若草5-8-20
最寄り駅:南草津駅
電話番号:077-567-1150
予約方法:電話
草津市・いしかわ矯正歯科
Dr. 石川敬一(認定医)
住所:草津市追分南6-20-9
最寄り駅:南草津駅
電話番号:077-567-0770
予約方法:電話
草津市・ひこ矯正歯科
Dr. 彦根敦(認定医)
Dr.彦根久美子(認定医)
住所:草津市渋川1-4-29
プティフィールココ1F
最寄り駅:草津駅
電話番号:077-567-0770
予約方法:電話、あるいはネット予約
近江八幡市・おおまえ矯正歯科
自立支援医療機関(育成医療)
Dr. 大前博昭(認定医)
住所:近江八幡市出町917-2
最寄り駅:JR東海道線近江八幡駅
電話番号:0748-32-0233
予約方法:電話
彦根市・きたがわ矯正歯科
Dr. 北河秀規(認定医)
住所:彦根市高宮町1418-1
ウェルスMori1F
最寄り駅:高宮駅
電話番号:0749-21-6480
予約方法:電話、あるいはメール
彦根市・こば歯科・矯正歯科
自立支援医療機関(育成医療)
Dr. 小林里絵子(認定医)
住所:彦根市三条町494-2
最寄り駅:南彦根駅
電話番号:0749-26-6050
予約方法:電話
長浜市・ながはま矯正歯科
Dr. 藤原敦(認定医)
Dr. 藤原あすか(認定医)
住所:長浜市勝町字深町45番地
電話番号:0749-56-2365
予約方法:電話、あるいはWeb予約
尾松歯科・矯正歯科
Dr.杉村美穂(認定医)
住所:〒520-0043 大津市中央3-6-1
電話番号:077-522-3210
成田歯科
Dr.成田益生(認定医)
住所:大津市大萱1丁目9-8
電話番号:077-544-3701
安井歯科医院水口診療所
Dr.安井滋一(認定医)
住所:甲賀市水口北脇430番地
電話番号:0748-62-7650
まとめ
滋賀県のお薦めの歯列矯正歯科医院をご紹介いたしました。
記事内のデジタルレントゲンと歯科用CTについて補足説明いたします。歯科用CTはデジタルレントゲンの一種ですが、デジタルレントゲンと歯科用CTは同じではありません。
歯科用CTは3次元の立体画像によって多くの情報を詳細に診ることが可能になるためん、一般のデジタルレントゲンとは異なります。歯科用CTは、2次元ではわからなかった歯や顎骨、神経の位置関係や大きさなどを正確に把握することが出来ます。これにより、歯の移動の限界がわかるので正確な診断や治療方針の立案が行うことが出来ます。
今回紹介した歯科医院のホームページに準拠し記載しております。
令和5年1月時点での医療機関情報です。今後更新や変更する場合があります。受診する際には、必ず歯科医院のホームページ等でご確認ください。